CatFight Mystery Tour10

激しいライト照明の下、歓声と緊張が入り混じる会場で繰り広げられるのは、格闘と官能の境界を曖昧にしたキャットファイトショー。35人限定で行われたライブイベントの臨場感そのままに、汗の飛沫、衣装の裂ける音、観覧席のどよめきが交錯する。肉体がぶつかる瞬間の質感や、一瞬の沈黙が呼び起こすサディスティックな緊張感は、まさにCPEイベントならではの空気だ。

勝敗を超える「女の戦い」を体現するのは、鳳華、みでぃ、羽柴まゆみら個性あふれるキャットファイター陣。強気でS寄りの鳳華が、試合後に受け身となる展開に視聴者は熱狂。レビューでも「普段とのギャップが最高」と評され、支配と服従の境界が演出の肝として際立つ。対してみでぃは、羞恥を捨てた大胆な肉体表現が特徴で、レビューでは「恥じらいがなくなった」と賛否が分かれた。キャストごとに攻めと受けのバランスが異なり、それぞれのフェチ構造を際立たせている。

試合展開は格闘技としての緊迫感と、エロティックな倒錯感が交錯する。鳳華が“極悪非道コンビ”に責め込まれるシーンでは、パンティ越しに逃れようとする無力な身の捩れが、屈服の官能を生む。視聴者の多くが指摘するように、揉みしだかれる乳房や吸われる音の生々しさが加わり、痛みと快楽の狭間で揺れる表情が印象的。会場の空気を伝える映像構成が、まるで観客としてその場にいるような臨場感を作り出している。

シリーズ第10弾にあたる本作は、CPEレーベルらしい“戦いの中のエロス”という哲学が貫かれている。格闘主体の筋肉フェチ視点に加え、羞恥・支配・触覚・聴覚など多感覚的なフェチに踏み込む構成が特徴的だ。映像編集も現場ライブの粗さを活かし、観る者に即時的な興奮をもたらす。シリーズ全体を通じ、女性キャットファイターの精神的な変化を演出の核とし、CPE独自のプロレスAVというスタイルを確立した一作といえる。