どきッ！女だらけのキャットファイト祭2010 下巻

本作は2010年夏、新木場で実際に開催された大規模イベントを記録したキャットファイト映像の下巻である。リング上に立つ女性同士の闘志は、スポーツ競技的な緊張感と同時に、肉体と肉体がぶつかるフェティッシュな匂いを伴って広がる。突き上がる歓声や照明に照らされた汗の粒子が舞台全体を包み込み、観客の視線と相まって臨場感を倍加させる。単に格闘を追うドキュメントにとどまらず、観る者を高ぶらせる「女同士の近接戦」の濃密な温度が、作品を支える大きな要素となっている。

登場するのは20代前半の若々しいキャットファイターたち。レビューでも触れられていたように、制服や下着姿を剥ぎ取られる場面が強調され、コスチュームフェチ的な引力を備えている。特に琥珀うたが見せる素朴さと、果敢に抗う姿は初々しさと艶を同時に醸し出しており、視聴者から「伸び代がある」と評価される所以だろう。相手を挑発する態度と受けに回ったときの羞恥表情、剥き出しにされた肌の白さなど、キャストごとの個性が強く反映される。こうした特徴はフェチ系AVとしての鑑賞ポイントを豊かにしている。

試合内容においては、素手での組み合いや胸を揉みしだく行為、さらに下着を剥ぎ取るまでの過程が克明に映される。口コミで指摘されたように「胸を晒される」瞬間は単なる格闘の延長線を越えて、羞恥と快楽の揺れを同居させる。腰を押さえつけられ抵抗しながらも体が微かに痙攣する描写や、頬を紅潮させる表情の変化が観客心理を掻き立てる。オイル未使用の試合も収録されており、「オイルレスのキャットファイトは一見の価値」と評価される通り、肉体のぶつかり合いがストレートに伝わってくる構成だ。汗や涎の粘度を感じさせる接写が、支配と屈服の心理的緊張感を増幅させている。

総じて本作はCPEレーベルが長年培ってきた生々しいライブ感を活かした記録であり、シリーズ全体が持つ「イベント感」と「フェチ性」の融合が鮮やかに示されている。剥ぎ取りや胸責めなど肉体的接触の多彩さだけでなく、羞恥と抗戦のせめぎ合いが観る者を惹きつける最大の要素だ。従来のプロレス的演出よりも、性愛と格闘の境界をあえて曖昧に描く手法ゆえ、同ジャンル内でも独自の位置を確立している。カテゴリー上はキャットファイトAVに分類されつつ、その背徳感や素人感を味わえる点が作品の真価と言える。