女祭り-2004- 下巻 ～レースクィーンハプニング～

レース会場さながらのライトと歓声の中で繰り広げられる、CPE恒例イベント「女祭り2004」。画面には、リングを囲む観客の熱気と、煌びやかなステージ衣装のきらめきが交錯する非日常の空間が広がる。ショーとしての演出性が高く、スポーツの緊張感とエロティックな挑発が混ざり合う。全体の雰囲気はセクシーなカーニバルそのものであり、フェティッシュな視線が“ハプニング”というキーワードに集中するのが本作の特徴だ。

今回の出場者は、華やかなレースクィーンにグラビア系アイドル、さらにプロレスラーが混在する異色の組み合わせ。華奢ながら挑発的なポージングを見せる女性と、筋肉質で威圧感のある強者が同じリングに立つ構図は、支配と被支配のコントラストを際立たせる。コスチュームも露出重視のビキニタイプやスポーティなスーツなど多彩で、視聴者の一部からは「可愛さと強さの同居が新鮮」との声も寄せられている。

闘いの展開は、フェス的な盛り上がりの中にキャットファイト特有のエロティックな瞬間を織り交ぜる構成だ。髪をつかみ合う緊張の呼吸、衣装が乱れる瞬間に滲む羞恥の表情。レビューでは、「派手な脱がしや性的な攻撃が少ない」との指摘も見られるが、一方で“中途半端な戦いが逆にリアル”という意見も多い。歓声の中で見せる女性たちの微細な戸惑い、興奮の呼気までを感じ取れる作品だ。

「女祭り」シリーズを手がけるCPEレーベルならではの作風は、ショーイベントと性的演出を一体化させたライブ感にある。監督・齋藤THOGO光國による演出は、プロレス的演技性をフェチ視点で再構築する試みともいえる。エロバトルというジャンルのあり方を問い直すように、華やかでコミカル、時に茶番劇としての魅力を放つ。セクシーとパフォーマンスの中間を探索した一篇として位置づけられるだろう。